こんにちは、腎リハラボへようこそ。理学療法士の優です。今回は、“CKD患者における運動や生活習慣について、より長く、より健康的で幸せな生活を送るための最良の方法は何か?”について話していきたいと思います。地域在住高齢者における生活習慣について多くの推奨事項があり、それらはCKD患者についても同様に必要とされています。それでは始めていきましょう!
紹介するガイドラインはこちら!
今回はこちらの流れに沿って進めていきたいと思います!
- はじめに
- 保存期CKD患者
- 透析患者
- まとめ
1. はじめに
これは、発汗された時点で透析や腎移植を含む腎不全患者に向けた身体活動と生活習慣に関するエビデンスを示すはじめての文書となっています。
推奨度の強さとエビデンスレベルは英国腎臓協会のガイドラインに基づいて表示されました。1は強い推奨、2は弱い推奨、Aは高い質のエビデンス、Bは中等度の質のエビデンス、Cは低い質のエビデンス、Dはとても低い質のエビデンスとなっています。
2. 保存期CKD患者
1) 合併症が管理下にあり、禁忌のない保存期CKD患者に身体活動は奨励されるべきである (1B)
2) 保存期CKD患者の身体活動については英国のガイドラインの内容が推奨されている (1B)
UK Chief Medical Officers’ Physical Activity Guidelines. 2019
- 少なくとも週2回の筋力/バランス/柔軟性維持向上を目的とした活動
- 週150分の中強度有酸素運動(可能であれば+週75分の高強度の活動)
- 長時間座位の解消に、可能であれば軽い運動を、少なくとも立ち上がりを行う
3) 身体活動や運動を増やすことで以下の効果が得られる可能性がある
- 血圧の改善 (1B)
- 身体機能および身体能力の改善 (1B)
- 機能制限の改善 (1C) ・健康関連QOLの向上 (1C)
4) 運動はうつや不安症状など、精神的な健康面を改善できる可能性がある (2C)
3. 透析患者
1) 禁忌のない血液透析患者全員に、身体活動と運動は奨励されるべきである (1C)
2) 透析患者の身体活動についても、CKD患者同様英国のガイドラインの内容が推奨されている (1B)
3) 十分な身体活動は心血管疾患発症および全死亡リスクを軽減できる可能性がある (1C)
4) 身体活動や運動を増やすことが血圧管理に良い効果をもたらす可能性がある (2C)
5) 透析中の運動は安全で禁忌はなく、すべての患者に適応されるべきであり、以下の効果が見込まれる
- 心血管状態と身体機能の改善 (1B)
- 筋力の向上 (2C)
- 入院リスクの軽減(2C)
- 血圧コントロールの改善 (2C)
- 脂質代謝状態の改善 (2D)
- 透析効率の改善 (2D)
6) 身体活動や運動の増量について、慢性疾患患者指導に関する有資格者による介入が推奨される (2D)
4. まとめ
保存期CKD患者および透析患者において、やはり身体活動や運動は推奨されていることが分かりました。特に保存期CKD患者においては週150分以上の中強度以上の有酸素運動という具体的な数値や、透析患者においては透析中の運動療法に言及していた点が興味深いと感じました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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