こんにちは、腎リハラボへようこそ。理学療法士の優です。今回は、“腎機能低下を予防する、7つの生活習慣について”というテーマで話していきたいと思います。様々な生活習慣が健康と関連することは明らかになっておりますが、この動画では、特に腎機能の低下に影響を及ぼす生活習慣について、勉強していきたいと思います。それでは始めていきましょう!
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今回はこの流れに沿って進めていきます。
- 背景
- 方法
- 結果
- まとめ
1. 背景
たんぱく尿は早期腎機能低下およびCKD進行の指標となるだけではなく、CVDリスクや全死亡とも関連することが知られている。
Gansevoort RT, et al. Lower estimated GFR and higher albuminuria are associated with adverse kidney outcomes. A collaborative meta-analysis of genral and high-risk population cohorts. Kidney Int. 2011
Matsushita K, et al. Chronic Kidney Disease Prognosis Consortium. Association of estimated glomerular filtration rate and albuminuria with all-cause and cardiovascular mortality in general population cohorts: a collaborative meta-analysis. Lancet. 2010
いくつかの先行研究で、不健康な生活習慣とそれに関連する疾患がたんぱく尿リスク増悪と関連することが明らかにされている。
Kelly JT, et al. Modifiable lifestyle factors for primary prevention of CKD: a systematic review and meta-analysis. J Am Soc Nephrol. 2021
Okada R, et al. Healthy lifestyle reduces incidence of trace/positive proteinuria and rapid kidney function decline after 2 years: from the Japan Ningen Dock study. Nephrol Dial Transplant. 2021
AHAはCVDの負担を減らすため、7項目で構成されたCVH指標を提唱した。
Lloyd-Jones D, et al. Executive summary: heart disease and stroke statistics: 2010 update: a report from the American Heart Association. Circulation. 2010
Gaye B, et al. Temporal trends of cardiovascular health factors among 366 270 French adults. Eur Heart J Qual Care Clin Outcomes. 2020
CVH指標は将来のCVDリスクを層別化することが報告されている。
Yang Q, et al. Trends in cardiovascular health metrics and associations with all-cause and CVD mortality among US adults. JAMA. 2012
Gaye B, et al. Ideal cardiovascular health, mortality, and vascular events in elderly subjects: the three-city study. J Am Coll Cardiol. 2017
Kaneko H, et al. Association of cardiovascular health metrics with subsequent cardiovascular disease in young adults. J Am Coll Cardiol. 2020
この研究は、全国的なデータベースを用いて、たんぱく尿進行推定におけるCVH指標の役割を明らかにすることを目的として作成されました。
2. 方法
ベースラインでたんぱく尿が陰性であり、4年間追跡調査が可能であった86万人が対象とされました。
CVH ( Cardio Vascular Health) 指標
- BMI:25kg/m2未満
- 喫煙:していない、もしくは過去6ヶ月以内の喫煙が100本未満
- 身体活動:週2日30分以上運動している、もしくは1日1時間以上歩いている
- 食生活:朝食を食べない日が週3日未満
- 血圧:120/80mmHg未満
- 血糖:空腹時血糖100mg/dL未満
- コレステロール:200mg/dL未満
3. 結果
0-2項目の該当でロー群、3-4項目の該当でミドル群、5-7項目の該当でハイ群とし、CVH指標により対象者は3群に分類されました。3群間に年齢、性別、BMIや血圧などすべての項目に有意な差が認められました。
ロー群と比較した、たんぱく尿が陽性になる確率は、年齢や性別で調整後もミドル群で0.61倍、ハイ群で0.45倍と有意に低い値となっています。
CVH指標の各項目で比較しても、全てにおいて有意に低い値となっています。
ベースラインのCVH指標、年齢、性別で調整後も*ベースラインにおけるCVH指標が1ポイント上昇すると、たんぱく尿が陽性になるリスクは0.81倍、1年後のCVH指標が1ポイント上昇するとたんぱく尿が陽性になるリスクは0.90倍となっています。
ベースラインおよび1年後のCVH指標でロー群に分類された対象者と比較したたんぱく尿が陽性になる確率は、ベースラインにおけるCVH指標でロー群に分類されていても1年後にミドル群に分類された対象者で0.76倍、ハイ群に分類された対象者は0.54倍まで軽減されています。
4. まとめ
これは、大規模データを用いて将来たんぱく尿が陽性になる変更可能なリスク因子を明らかにするだけではなく、その改善によるリスク軽減の可能性についても言及した、初めての研究となっています。
今回紹介した研究の結果から、以下のことが分かりました。
- CVH指標が高いと、たんぱく尿が陽性になるリスクが低いこと
- CVH指標の改善は、たんぱく尿が陽性になるリスクの軽減に関与すること
- 不健康な生活習慣に対する介入がたんぱく尿を予防する可能性があること
今回の内容は以上です、いかがでしたでしょうか?Youtubeでは動画も公開しておりますので、ぜひご視聴下さい!