座りがちな生活習慣の改善は、2型糖尿病患者にとって有益である。

こんにちは、腎リハラボへようこそ。理学療法士の優です。今回は、“2型糖尿病患者にとって座りがちな生活を変えることは有益でしょうか?”というテーマについて話していきたいと思います。多くの方が、生活習慣は健康に大きな影響を与えると言っています。それでは始めていきましょう!

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今回は、この流れに沿って進めていきたいと思います!

  1. 背景
  2. 方法
  3. 結果
  4. まとめ

1. 背景

交通、コミュニケーション、職場や自宅環境のテクノロジーの急速な進化により長時間座りがちな生活が生まれています。

座りがちな行動とは、歩かずに座っていたり、背もたれによりかかっていてエネルギー消費が1.5メッツ未満の少ない状態を指す。

Matthews CE, Chen KY, Freedson PS, et al. Amount of time spent in sedentary behaviors in the United States, 2003-2004. Am J Epidemiol 2008;167:875–881
Sedentary Behaviour Research Network. Letter to the editor: standardized use of the terms “sedentary” and “sedentary behaviours”. Appl Physiol Nutr Metab 2012;37:540–542

座りがちな行動は多く、中強度から高強度や余暇時間の身体活動の影響をコントロールされていても2型糖尿病や心血管疾患の発症、および早期死亡のリスクを助長する。

Biswas A, et al. Sedentary time and its association with risk for disease incidence, mortality, and hospitalization in adults. Ann Intern Med 2015;162:123–132
Dempsey PC, Owen N, Biddle SJ, Dunstan DW. Managing sedentary behavior to reduce the risk of diabetes and cardiovascular disease. Curr Diab Rep 2014;14:522

全体で座りがちな時間が同じであっても、短時間で区切られている方が長時間継続されているよりも心血管代謝や食後代謝にポジティブな影響があるという観察的および経験的なエビデンスが存在する。

Healy GN, Dunstan DW, Salmon J, et al. Breaks in sedentary time: beneficial associations with metabolic risk. Diabetes Care 2008; 31:661–666
Healy GN, Matthews CE, Dunstan DW, Winkler EA, Owen N. Sedentary time and cardiometabolic biomarkers in US adults: NHANES 2003-06. Eur Heart J 2011;32:590–597

過体重や肥満で2型糖尿病のリスクが高い成人にとって、20分毎に座りがちな行動を中断し2分間歩くことは、その強度に関わらず糖およびインスリン反応性を24〜30%低下させる。

Dunstan DW, Kingwell BA, Larsen R, et al. Breaking up prolonged sitting reduces postprandial glucose and insulin responses. Diabetes Care 2012; 35:976–983

2. 方法

24名の過体重および肥満の2型糖尿病患者を対象に、8時間の介入が3日行われました。

SIT群は座りっぱなし、LW群は座位+30分ごとに軽いウォーキング、SRA群は座位+30分毎の簡単なレジスタンストレーニングを行いました。

3. 結果

介入前の体格、生化学、身体活動量、食事内容について各グループ間に差はありませんでしたが、SIT群と比較しLW群とSRA群の糖、インスリン、cペプチド、中性脂肪は有意に低い値でした。

4. まとめ

成人の2型糖尿病患者は、長時間座りがちな生活に軽いウォーキングや筋トレを挟むことで、食後の血糖、インスリン、cペプチド、中性脂肪を大幅に抑えることが可能でした。

座りがちな習慣と運動への低いアドヒアレンスを持つ対象者にとって、これら2つのアプローチは糖尿病合併症および心血管疾患合併のリスクを軽減させる可能性のある実践的な方法であると考えられます。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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