高齢者は週150分の有酸素運動と、週2回以上の筋力・バランス・柔軟性エクササイズを行うべき

こんにちは、腎リハラボへようこそ。理学療法士の優です。今回は、“高齢者にとって推奨される身体活動の詳細は何か?”について話していきたいと思います。身体活動が推奨されることは多く、それについて詳細を知りたいと考えている方も増えてきています。それでは始めていきましょう!

紹介するガイドラインはコチラ!

今回はこの流れに沿って進めていきたいと思います!

  1. 概要
  2. 高齢者における身体活動
  3. まとめ

1. 概要

①ガイドライン作成の経緯

健康のための身体活動や運動の促進を考えている専門家、医師、政策立案者に向けて作成

②身体活動の効果

定期的な身体活動は身体的及び精神的な健康に関連した様々な利益をもたらします。例えば、高齢者における転倒やフレイルの予防などが挙げられます。そして、その利益は時間の経過とともに積み重ねられていきますが、健康のために身体活動を始めるにあたり遅すぎるということはありません。

③運動にかける時間

一般的に、身体活動に費やす時間が長いほど健康面に良い影響があります。身体活動による健康面の改善は追加する時間に比例して大きくなるため、最も低いレベル、つまり週30分未満しか体を動かしていない方ほど多くの恩恵を受けることが出来ます。

④運動のはじめ方

身体活動による健康面の恩恵を受けるために、規定された最小量はありません。ただし、特に少ない量から身体活動を始める方にとっては、少なくとも1回10分を目標にするというのは良いかもしれません。

10分未満の少ない身体活動も、1日又は1週間の身体活動に累計されメリットをもたらします。毎日体を動かすことが推奨されており、ウォーキングや自転車などの日々の移動手段はしばしば最も簡単に始められる身体活動として、日常生活の中からガイドラインで推奨されている活動量を確保するために役立ちます。

⑤運動の強度

どの運動強度でも健康上の利益はもたらされますが、同じ時間であれば高い強度ほどその利益は大きくなります。そして、健康上の利益を最大限に得るためには少なくとも中強度から高強度の身体活動が必要とされます。

中強度と高強度の運動はトークテストを用いて判別することが可能です。※話すことは出来るが歌うことはできない場合は中強度、一度活動をやめないと話すことが難しい場合は高強度となります。

⑥運動の効果

筋力と骨とバランス能力は特に晩年の身体機能を支える重要な要素となります。筋力強化のための活動では大筋群を使用することが重要です。また、骨を鍛えるためには骨に生成と修復のための刺激を与えるための中強度から高強度の衝撃が必要とされます。

⑦運動が必要とされる理由

これらを強化する身体活動は人生の過程でそれぞれ異なる理由から必要とされます。幼少期及び青年期は筋力の発達と健康的な骨の生成の為、成人期は筋力維持の為、そして晩年は50代以降から生じるとされる筋量と骨量の自然な低下を遅らせ身体機能を維持するため、とされています。

⑧不活動と座位行動

 不活動と座りがちな行動とは、起きている中で安静時と変わらないエネルギーしか消費せずほとんど動かずに、座っている時間や寄りかかったり、横になっている時間を含みます。これらには座りながら活動的な状態は含まれません、例えば車椅子の自走や座位でのエクササイズ、座位でのワークアウトなどが挙げられます。

 不活動と座りがちな時間は健康に悪影響を及ぼす独立したリスク因子であり、出来る限り少なくするべきとされています。また、上記状態が長時間続かないよう少なくとも軽い身体活動を行うべきとされています。座りがちな行動がいくつかの健康関連項目に及ぼす影響は中強度から高強度の身体活動の量によって決まると言われています。現在は健康に悪影響を及ぼす座りがちな時間について、推奨する特異的なカットオフ値を作成するにはエビデンスがまだ不十分です。

⑨運動の障壁

有害なイベント発生のリスクと身体活動との関連性は低く、そのリスクより健康にもたらす利益の方が大きいとされています。怪我や健康問題悪化の恐れは特に普段活動的ではない方や機能障害のある方、健康に問題を抱える方や妊娠女性、また高齢やフレイルの方にとって活動を始める障壁になり得ます。現在の個人の活動レベルや健康状態や身体機能に合わせて適切な強度や方法で実施された場合、だれに対しても身体活動が安全ではないという明確なエビデンスはありません。

適切な身体活動が障害を持つ成人にとってリスクがあるというエビデンスは存在しませんでした。身体活動が障害者にとって本質的に有害であるという神話は払しょくされるべきと結論付けられています。

2. 高齢者における運動

高齢者は身体機能の維持向上のため、少なくとも週2回の筋力、バランス、柔軟性の維持向上を目的とした活動を行うべきとされています。これらは中強度の有酸素運動に含めることもでき、また、別の機会にこれらの要素に特化した運動機会を追加で設けることも良いです。

高齢者は1週間当たり150分の中強度の有酸素運動を目標とし、現状から徐々に増やしていくべきと書かれています。すでに定期的に運動をしている場合75分の高強度の活動や中強度と高強度を組み合わせた活動でより大きな効果があるとされています。また、荷重下での活動は骨の健康を保つことにも役立ちます。

高齢者は、明確なメリットがある為可能な場合は軽い運動か、少なくとも立ち上がることで長時間の座りっぱなしを解消するべきとされています。

3. まとめ

高齢者は

①1週間当たり150分の中強度の有酸素運動を目標とし、現状から徐々に増やしていくべき

②すでに定期的に運動をしている場合、75分の高強度の活動や中強度と高強度を組み合わせた活動でより大きな効果がある

③高齢者は身体機能の維持向上のため、少なくとも週2回の筋力、バランス、柔軟性の維持向上を目的とした活動を行うべき

最後までご覧いただきありがとうございました!

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